手を開いた時の描く部分の比率とポイント
- 中指が一番長くなるようなアーチを意識して各指を描くと良い
- 中指 (人差し指 薬指) 小指の順で長い※カッコ内は好みで長さを変えて良いし同じ長さでもOK
- 関節の長さは第一+第二=第三ぐらいで描くと良い
- 各指に対応する手の平の長さと各指の長さは大体同じぐらい
指は円柱というより背部分を台形にした円柱を意識する
円柱で指を描いた場合、関節部分にメリハリが無くなります。
なので、背部分を台形にした円柱という意識で作画してみましょう。
指の背部分の立体感を意識する事で曲げた時の指の描写が上手くいきます。
緩やかなカーブの台形のイメージ。
指の断面を見るとこういうイメージ
手を握った時のポイント
握ると掌の上部も内側へ曲がるため、掌のサイズが小さくなる
指の曲がり方は薬指と小指の曲がり方がポイントになる
指は曲げた時に力が集まりやすいよう指同士が引っ付くようになっている。
そして中指から小指にかけて、曲げた指の方向が掌の中心へ向かうように曲がります。
薬指と小指はその方向がよりキツくついている。
指を曲げた時に指はどの様に変形するか
伸ばした指は当然ですが、ほとんど指にシワが入りません。
指を曲げ始めると手の甲側は関節の硬い部分が見えるようになり、
指の腹側に少しシワが入ります。
第三関節は伸ばしたまま第二関節と第一関節を曲げていくと最終的には直角まで指が曲がるように折りたたまれます。指の腹のシワはとてもくっきりと入っていきます。
握りこぶしを作るには第三関節も曲げるので、先ほどまで水平だった第三関節も角度がつきます。
第二関節と第一関節のシワは最終的に引っ付くほど近くなります。
第二関節の腹側の面積が手を握る程に狭くなっているのがわかりますね。
関節を線で表現した場合
握る手を描くときは人差し指を少し浮かせる
握る時に親指も掌の内側へ移動しますが、その時の動作で、親指の付け根の掌の厚みも内側へ移動します。
その厚みが握った人差し指に干渉して、人差し指が少し押し出されるイメージです。
こちらへ向かってくる手のポイント
迫力のある構図で効果的なこちらへ向かってくる手を描くには
指の立体感把握が重要になります。
輪切りにした時の断面や、皮膚にペイントをした場合に線がどういう方向に曲がるかというのを自分で描き入れると、立体感の把握が早くなります。
指の曲げ具合によって手の甲側が見える指と見えない指が混在していると
より立体感のある手に見えます。
また、指を曲げながらも広げている手を描く場合は難しいですよね。
ですが、人差し指から小指までの指の並び方がスパイラル形状のラインに沿うように描くと手らしく自然に見えます。
デッサンに忠実で正解よりも見栄え重視のポージング選択を
例えばこれはある特定のアングルから見た手の描写ですが、
腕側からのアングルになると指が極端に見えないポージングというのが存在します。
デッサン的には間違いが無い訳ですが、あまり見栄えがしない、普段見なれない構図は「指がない」とか「何かヘン」といった感想を持たれます。
コンセプトやニュアンスが変わらない程度に指のポージングを変えて、見栄えのする手を採用するようにしましょう。
どうしてもこの角度だと隠れるという場合は指を広げてしまうのもアリですね。
モノを握った手を描く時のポイント
モノを握った時は、手を握った時と同様に親指の付け根の掌の肉の盛り上がりによって、人差し指が一番高くなります。
また、モノの角度が掌の肉に沿う形となるので、掌に対して平行ではなくなります。
人差し指が他の指よりも出ているのを正面から見たところ
また、モノの角度も掌と平行にはならないので、少しカメラ側へ傾いている
手は奥が深いので、描くたびに資料を見るクセをつけましょう
手は上手い下手が如実に現れる部位です。人間は自分自身の手を毎日目にしますし、他人の手も無意識によく見ているため、「手がどういうものか」というのを知っているためです。
5本指があって、掌や手の甲など、色んなアングルや表情を見せる事ができるため、いざ描こうとすると途端にわからなくなります。
手は何度も資料を使って正解を知り、自分の中で消化する必要があります。
- 自分の手をカメラで撮影して資料にする
- 手のポーズ人形を使う
- 3Dのポーズアプリ等を使う
それらを駆使して手を攻略していきましょう。
手は難しいです。実際の手を色んなポーズをさせて色んな角度から見ると、現実の手なのに「うんデッサンがおかしいですね」と思う事があるので、見栄えがする手を選択するとか、こういう仕草の時はこういう手だよねと意識に残っている手のイメージとかを踏まえつつ練習できると良いです。
手は立体感が重要なので、色んな角度から見て描いてを繰り返すと良いですね
爪の描き方はこちらから